グラフィック描画性能はpassmarkスコアで判断しよう

この記事は約8分で読めます。

近年、ゲーミングPCが一般的になり、今や小学生ですら自分専用のゲーミングPCを持つ時代です。

一口にゲーミングPCと言っても価格帯、メーカー、種類があり「ゲーミングパソコンが欲しいけどどれを買ったらいいかわからない..」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?

 

そこで本記事ではゲーミングPCにおいて重要な役割を果たしているGPUについて、違いやどれを選べば良いのかなどを紹介します。

ではPassMarkスコアと呼ばれるものを用いて、わかりやすく簡潔に解説していきます。

 

Passmarkスコアとは?

PassMarkというベンチマークソフトを用いて演算能力を測定した結果の値です。この数値が高いほど演算能力が高く、高性能と言えます。ベンチマークとは、PCの性能を表す指標であり、各製品の性能差を数値的に可視化することが可能となります。

メーカーのホームページ等に記載されている情報を見ても具体的な動作のイメージが掴みにくく、比較がしにくいです。

しかし、この値を用いることで性能差を判別することが可能となります。

 

まずはpassmark値の違いで実際の動作はどれほど違うのか?を確認

GT 710 VS 1030 VS 1050TI in 2021 | Budget GPU Battle | GPU Shortage

こちらはpassmark値が639のGT710, 2550のGT1030, 6318のGTX1050Tiの比較動画です。

この動画の後半では比較的軽いゲームの動作の違いが分かるかと思います。GT710はFPS値がかなり低く、まともにプレイできないことがわかります。GT1030は平均30FPS程度であり、快適にプレイすることはできません。GTX1050Tiは60FPSが安定して出ており、この程度の軽いゲームであれば問題なく動作するでしょう。

現在流行しているValorantはGT710が45FPS, GT1030が145FPS, GTX1050Tiが180FPSとなっています。このゲームは比較的軽いゲームですので、GTX1050Ti以上の性能であればかなり快適に動作しますし、ゲーミングモニターを使用して144Hzのヌルヌル動く画面でプレイすることも可能です。

 

RTX 3060 Ti vs GTX 1050 Ti Test in 10 Games

こちらはpassmark値が6318のNVIDIA GTX1050Tiと20032の3060Tiの性能差を実際のゲームを用いた比較が行われている動画です。このように左側の3060Tiは60FPS以上、右側の1050Tiは60FPSに届かず、カクカクした動きになることが分かるかと思います。

 

RTX 3060 vs RTX 3060 Ti vs RTX 3070 vs RTX 3080 – 10 Games 1080p 1440p and 4k + DLSS

こちらはpassmark値16832のRTX3060, 20032のRTX3060Ti, 22042のRTX3070, 24709のRTX3080の比較動画です。複数のゲームをプレイした際の映像、FPS値が分かるかと思います。4Kでのプレイに注目していただくと、3060や3060Tiは60FPSに届かないことが多く、3070は50~70FPS程度出ていることが分かるかと思います。

一方3080は平均して60FPS以上が安定して出ていることが分かるかと思います。このように、本格的に4Kでゲームを遊びたい場合はpassmarkスコアが23000以上のGPUを選ぶ必要があります。

 

[Slow motion] 240Hz vs 144Hz vs 120Hz vs 60Hz – Monitor refresh rates

60Hz, 144Hzでの違いについてはこちらの動画で比較されています。Hzはモニターのリフレッシュレートを意味し、1秒間に何回映像を切り替えるかを表しています。数値が高いほどヌルヌルした動作になります。

なお、PassMarkスコアはあくまでGPUの性能を表す数値です。実際の動作はCPUやメモリ、回線速度にも影響されますので1500未満であっても快適に動作することもあります。また、その逆もあります。そのため、PassMarkスコアはGPUを選ぶ際の参考としてご利用ください。

 Passmarkの値による性能差の評価

ここではpassmark値をいくつかの範囲に分けて、それぞれがどの程度の性能なのか?使用感等を説明していきます。

passmark値性能説明
0 ~1500

性能としてはやや低めで、ローエンドと呼ばれるGPUです。ネットサーフィンや動画鑑賞など、軽い作業であれば動作可能です。しかし、サイトによっては重く感じる場合があります。

例:GT710
1500~3000一般的な用途であれば十分な性能を誇るロークラスのGPUです。ネットサーフィンや動画鑑賞などの軽い作業が問題なく動作するスペックですので、ゲームをしないのであればこのあたりのスコアのGPUを選ぶのが良いかと思います。

例:GT1030
3000~5000比較的軽いゲームであればプレイ可能なエントリークラスのGPUです。ブラウザゲームや、昔のRPG等しかプレイしないと言う方はこの辺りのGPUがおすすめです。

例:GTX1050
5000~7000このスコア帯もエントリークラスに分類されます。エントリークラスの上位モデルといった認識が適当です。新しいゲームやFPSゲームはグラフィック設定を落とせば問題なく動作可能です。RPGやブラウザゲームをメインで遊ぶが、たまにFPSゲームもしたいと言う方はこの辺りのGPUがおすすめです。

例:GTX1650
7000~10000ミドルクラスの下位モデルに位置するGPUで、一般的なゲームを通常設定で60FPSでプレイすることが可能です。最近のFPSゲーム(ex.APEX, BF2042)では若干の性能不足を感じる可能性があります。

例:GTX1650 Super, GTX1060 3GB, GTX1060 6GB
10000 ~ 20000ミドルクラスのGPUで、現時点ではほぼすべてのゲームをプレイすることが可能です。コストパフォーマンスに優れたモデルが多く、とりあえずこのあたりのスコアのGPUを買っておけばOKという作りになっています。このスコア帯のGPUを購入される方が圧倒的に多いため、さらに細かくスコア帯を分けて解説していきます。

 
10000 ~ 13000ミドルクラスの下位モデルに位置し、最高画質設定では厳しいタイトルもありますが、低・中設定であれば144FPS動作が可能です。

例:GTX1660(Ti, Super)
13000 ~ 17000先ほど同様コストパフォーマンスに優れたミドルクラスGPUで、ミドルクラスの中間モデルに位置します。人気FPSゲーム(APEX等)で平均100FPS、中設定だと144FPSで動作可能です。定番のGPUですので、ゲームや動画編集等幅広く快適に使用することができます。

例:RTX2060, RTX3050, RTX2070 RTX3060, RX6600(XT)
17000 ~ 20000ミドルクラスGPUの上位モデルに位置します。4Kでのゲームプレイも可能となり、50 ~ 70FPSでの動作が可能です。しかし、タイトルによっては60に満たない場合があるため、本格的に4Kでのゲームをプレイしたい場合はさらに上位のモデルを使用すべきでしょう。例:RTX2080, RTX3070, RX6700X
20000~23000

ここからは性能を重視したモデルが多く、ハイクラス,ミドルハイと呼ばれるグレードのGPUです。ミドルクラスほどコストパフォーマンスに優れているわけではありませんが、消費電力や価格面も若干考慮されていますので本格的にゲームをしたいと言う方はこのスコア帯のGPUがおすすめです。

FullHD 144Hzでのプレイに加え、4Kでの動作も可能となります。しかし、タイトルによっては4K60FPSでの動作が厳しいものもあるため注意が必要です。

例:RTX2080Ti, RTX3070(Ti), RX6800
23000~25000ハイエンドクラスに分類されるGPUで、4K60FPSでのプレイが安定して可能となります。性能を重視して開発されているモデルのため、発熱量や消費電力が上がり、コストパフォーマンスは悪化していますが、十分な性能を誇ります。4Kの綺麗な画面で快適にゲームをしたいと言う方はこのスコア帯のGPUがおすすめです。

例;RTX3080Ti, RX6800XT
25000~現時点で最強の性能を誇るGPUがこのスコア帯に位置します。価格は30万円前後でかなり高いですが、4Kはもちろん、8KやVRでのプレイが可能となります。とにかく重いと有名な「Microsoft Flight Simulator」も4Kで快適に動作させることが可能です。

例:RTX3090, RX6900XT

passmark値(グラフィック性能)と価格の関係性

GPUのpassmark値と価格帯の分布を表したものが以下の図です。

この図を見ていただければ分かるように、グラフィック描画性能があがるとコストは上がっていきます。コストパフォーマンスに優れたモデルは6万円から8万円あたりでしょう。

こちらは定価時の価格となっており、現在は半導体不足や原油価格高騰による輸送費の値上がりの影響でGPUの価格が1.5倍から2倍程まで上がっていますので、ご注意ください。

参考文献

各GPUのPassMarkスコアはこちら(https://www.videocardbenchmark.net/gpu_list.php)から調べることが可能です。

PassMark Video Card (GPU) Benchmark Charts - Model List
Video Card Benchmarks - Over 200,000 Video Cards and 900 Models Benchmarked and compared in graph form - This page is an alphabetical listing of video card mode...

その他の参考文献は下記です。

【2023】GPU性能比較一覧表(グラボ)
PassMark Video Card (GPU) Benchmark Charts - Model List
Video Card Benchmarks - Over 200,000 Video Cards and 900 Models Benchmarked and compared in graph form - This page is an alphabetical listing of video card mode...
グラボ(GPU)性能比較表 | 最新から定番のGPUまで簡単に比較
グラフィックボードの比較を簡単に!200を超えるGPUをベンチマークやゲームの期待フレームレート(FPS)、TDP等で比較します。

グラフィックチップや描画性能について知らない方のためになればと思います。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました